
6月議会では、「県内の市町村立病院を取り巻く課題と本県が行うべき対応について」質問いたしました。※かめざき大介の令和7年度6月議会以外の質問はコチラからご覧いただけます。
質問全文
民主県政クラブ県議団の亀崎大介です。通告に従いまして、一般質問を行います。今回は、「県内市町村立病院を取り巻く課題と本県が行うべき対応について」質問します。
去る6月2日放送のNHKクローズアップ現代で、「まさか都市部でも…相次ぐ病院閉鎖 医療はどうなる」という番組がありました。そこでは、「都市部で相次ぐ病院の閉院や縮小 赤字経営に揺らぐ医療の未来は」ということで、「大きな病院がたくさんある都会なら、医療は安心」そんなイメージが崩れはじめているとして、都市部でも救急病院や大きな病院の閉鎖が取り上げられ、患者は多くとも深刻な赤字を抱え、そこに医師不足、建物の老朽化など、複合的な要因が重なり、都市部の病院が相次いで閉院や休止に追い込まれているとの報道でした。
番組では、病院の経営リスクとその背景を多角的に検証されていましたが、これは民間病院に限った話ではありません。公益社団法人全国自治体病院協議会」が、2024年5月に、厚生労働省の「新たな地域医療構想等に関する検討会」に提出した資料によると、全国の病院に占める自治体病院、いわゆる公立病院の割合は、病院数では11.2%、全病床数では14.6%となっており、公立病院の数や病床数は10年前と比較すると大きく減少していることが示されています。
また、総務省が公表している全国の公立病院の経常収支の状況をみると、2023年度は2014年度と比べると、赤字が生じた病院の数が大きく増加しており、公立病院の70.4%が赤字病院という結果が出ています。
経営悪化の要因には、不採算の政策医療を担っている公立病院固有の事情などがあげられますが、特にコロナ禍以降は、物価高騰等の影響によって経営が一層悪化していると言われています。公立病院は人口の少ない地方部に多く立地しています。公立病院の約65%は人口10万人未満の市町村にあり、そのうち約31%は人口3万人未満の市町村に所在しています。そして、へき地を多く抱える都道府県ほど、全病床数に占める公立病院の病床数の割合が高くなっており、地方の医療は公立病院が支えている状況にあります。
本県は比較的医療資源に恵まれた県ではありますが、市町村が運営する県内の公立病院の半数以上は筑豊地域や筑後地域など地方部に立地しています。都市部ほど医療資源が充実していない地方部において、公立病院は、地域の医療提供体制の一翼を担う重要な医療機関です。
それだけにとどまらず、公立病院では市町村の保険部局と連携して介護予防や健康づくり教室を行うなど、住民の健康保持や疾病予防の推進により、全国的にみても高い本県の医療費の適正化に資する取組も行っています。
このように重要な機能を有している県内の公立病院ですが、総じて、経営の悪化や医師や医療技術者、看護師などのスタッフ不足といった課題に直面しています。今後、県内多くの地域で、さらなる高齢化、人口減少が進み、医療ニーズも変化していくことが予想されています。
県民の皆さんへの適切な医療サービスを提供していくためには、県内公立病院が、安定して運営され、その役割を今後も担っていくことが大事であると考えます。
そこで知事にお尋ねします。
問1 県内の市町村立病院について、県として経営状況をどのように把握し、どのような助言を行っているのかお聞かせください。
問2 次に、大学病院等から市町村立病院及び診療所に安定的に医師が派遣される仕組みが必要と思いますが、県としてどのように取り組んでいるのか、お答えください。
問3 5つの県立病院は、赤字経営により民間に委譲や公設民営化をしてきた経緯がありますが、市町村立病院はその地域にとって必要不可欠です。そこで最後に、県内の医療提供体制における市町村立病院の役割をどのように考えているのか、また、これらの病院がその役割を今後も担っていくためにどう取り組もうと考えているのかお答えください。
質問と答弁1 公立病院の経営状況について
問1 県内の市町村立病院について、県として経営状況をどのように把握し、どのような助言を行っているのかお聞かせください。
服部知事答弁
まず、公立病院の経営状況についてでございます。
県では、毎年、市町村の公営企業の決算状況に関する調査を行っておりまして、その中で、公立病院の経常損益や資金不足の状況等を把握しております。その上で、運営経費の不足等に対する一般会計からの適切な繰出しについて助言を行いますほか、病院事業債や各種補助制度など、利用可能な財政措置についての紹介も行っております。
また、令和4年には、国から市町村に対しまして、医師・看護師の確保策あるいは、経営の効率化に向けた数値目標等を内容といたします「経営強化プラン」を令和5年度までに策定するよう、要請が行われました。
このため、県では、市町村が当該プランを策定する際に、地域医療構想との整合性を図るという観点から、その内容を事前に確認し、必要な助言を行ってきたところでございます。
さらに、病院経営を行っている市町村が直面しております財政運営や経営の改善といった課題の解決につきましては、技術的・専門的な支援を行う国のアドバイザー事業を積極的に活用するよう働きかけを行っております。
この3年間で3つの病院がこのアドバイザー事業を利用し、経営改善に向けた経営形態の見直しや他の医療機関との連携などの提案を受けているところでございます。
質問と答弁2 公立病院等への医師の派遣について
問2 次に、大学病院等から市町村立病院及び診療所に安定的に医師が派遣される仕組みが必要と思いますが、県としてどのように取り組んでいるのか、お答えください。
服部知事答弁
公立病院等への医師の派遣についてでございます。
市町村の公立病院等では、設置者自らが自主的に医師の確保に取り組んでおるところでございますが、離島やへき地といった医師の確保が困難な地域にある診療所や病 院の取組を支援いたしますため、県では、自治医科大学卒業医師の派遣を行っておりまして、今年度は公立病院等に7名の医師を派遣しております。
また、県では、県内4大学の医学部に医師少数区域等へ医師を派遣していただくための寄附を行っておりまして、今年度は公立病院等に22名の医師を派遣いただいております。
県といたしましては、引き続きこれらの取組を通じ、公立病院等における医師の確保を支援してまいります。
質問と答弁3 医療提供体制における公立病院の役割について
問3 5つの県立病院は、赤字経営により民間に委譲や公設民営化をしてきた経緯がありますが、市町村立病院はその地域にとって必要不可欠です。そこで最後に、県内の医療提供体制における市町村立病院の役割をどのように考えているのか、また、これらの病院がその役割を今後も担っていくためにどう取り組もうと考えているのかお答えください。
服部知事答弁
医療提供体制における公立病院の役割についてお尋ねがございました。
市町村の公立病院は、民間医療機関の立地が困難なへき地での医療や、救急、小児・周産期、災害、感染症といった政策的に行う医療の提供などが、その役割として期待をされております。
それぞれの公立病院は、地域で果たす役割や今後の方向性等を記した「公的医療機関等2025プラン」をもとに、地域の医療関係者等と協議を行い、担う役割について明確化しておりまして、具体的には、八女・筑後区域では、例えば、公立八女総合病院が、救急のほか、へき地医療拠点病院の役割、田川区域では、田川市立病院が、救急のほか、災害拠点病院、感染症指定医療機関の役割を、北九州区域では、北九州市立医療センターが、救急のほか、周産期母子医療センター等の役割、を担っているところでございます。
今後、人口減少や疾病構造の変化など、医療機関を取り巻く環境は大きく変化をしてまいります。県では、医療と介護双方のニーズが高まります85歳以上の高齢者が増加する2040年に向け、来年度、「新たな地域医療構想」を策定することといたしております。
この構想では、将来の医療需要の見通しなどを、地域ごとに示すこととしておりまして、これを踏まえ、それぞれの公立病院に自ら担う役割について、改めて明確化していただくよう促してまいります。
以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
議会は、議員として一番大切な仕事の一つです。研鑽を重ね、県民のためになる質問を続けていきたいと思います。
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